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内定辞退を防ぐ方法|新卒・中途採用担当者向け実践ガイドと成功事例【2024年最新版】

#新卒採用

優秀な人材の獲得は、企業が生き残る上で最も大切なポイントとなっています。

せっかく自社にマッチした良い人材を採用できたと思ったら土壇場で内定辞退…。

これは、採用担当者にとって大きな痛手であり、企業の成長を阻害する深刻な問題です。

この記事では、そんな内定辞退を防ぐための具体的な対策を、新卒・中途別に分けて事例と共に解説します。

この記事を書いた人
(株)アルフォース・ワン 代表取締役
山根 謙生(やまね けんしょう)
従業員50名以下の中小企業に特化&全国100種類以上の求人広告を取り扱う採用支援会社 (株)アルフォース・ワン 代表。地域の小さなお店から上場企業まで、日本全国で「300
社・5,000件」以上の採用支援実績あり。求人・HR業界歴14年目に突入。採用定着士、外国人雇用労務士資格保有。

内定辞退の現状

株式会社リクルートが運営する「就職みらい研究所」が大学生・大学院生を対象に調査する「就職プロセス調査(2025卒)」によると、2025年卒(2024年8月1日時点)の内定辞退率は65%に達しています。

少子高齢化による労働人口の減少も相まって、優秀な人材の確保は企業にとって喫緊の課題となっている中、「売り手市場」と言われる状況下で、学生は複数の内定を獲得し、より良い条件、より魅力的な企業を選ぶ傾向が強まっていることが分かります。

一方、株式会社マイナビが調査する「中途採用状況調査(2023年版)」によると、中途採用の内定辞退率は約7.9%と比較的低いものの、経験豊富な即戦力人材の獲得競争は激化しており、内定辞退は企業にとって大きな損失です。また、ポジションによっては、辞退率がさらに高くなるケースも見られます。

内定辞退の主な理由(候補者の本音)

候補者が内定を辞退する背景には、様々な理由が潜んでいます。企業はこれらの理由を理解し、適切な対策を講じる必要があります。

採用担当・面接官の印象

選考プロセスにおける採用担当者の対応は、候補者にとっての「企業の顔」です。

レスポンスの遅さ、不誠実な対応、高圧的な態度などは、企業への不信感を招き、内定辞退の大きな要因となります。

選考プロセスも企業文化の一部」という意識を持ち、候補者一人ひとりに丁寧に対応することが重要です。

その企業で働くイメージが持てなかった

候補者が具体的な働くイメージを持てなかった場合、入社後にギャップが出てしまうのではないかと不安に感じ、内定辞退を選択することがあります。

企業ウェブサイトやSNS等で情報発信するだけでなく、選考プロセスを通じて、職場環境、業務内容、キャリアパス、社風などを具体的に伝え、「入社後の自分」をイメージできるようにすることが重要です。

雇用条件のミスマッチ

給与、待遇、勤務地、勤務時間など、雇用条件が候補者の希望と合わない場合は内定辞退となるでしょう。

選考の初期段階で、候補者の希望や転職理由を丁寧にヒアリングし、企業側と候補者側のニーズをすり合わせることが重要です。

万が一、内定承諾後になって条件のミスマッチが発覚すると、また応募者の獲得から始めることになるため余計な採用工数が発生することになります。

また、内定を出す前には必ず条件面談も実施しておきましょう。

他社との比較

候補者が他社の雇用条件と比較検討するのは当然のこと。

待遇面だけでなく、企業理念、ビジョン、成長性、働きがいなど、自社の魅力を明確に伝え、他社との差別化を図ることが重要です。

なぜこの会社で働くべきか?」という問いに答えられる、明確なベネフィットやオファーが必要です。

新卒採用における内定辞退対策

新卒採用では、学生の視点を理解した内定辞退防止戦略が必要です。

魅力的な面接

面接は、企業の魅力を伝えるだけでなく、候補者の人となりや価値観を理解する貴重な機会です。

一方的な質問形式ではなく、双方向コミュニケーションを重視し、候補者にとって有益な情報提供を行うことで、企業への興味・関心を高め、入社意欲向上に繋げます。

「学生に選ばれる企業」になるためには、学生目線での採用活動が不可欠です。

細やかな内定者フォロー

内定承諾後も、定期的な連絡や懇親会、内定者研修などを通じて、入社へのモチベーションを維持し、不安を解消することが重要です。

内定者同士のコミュニティを形成することで、入社への期待感を高め、辞退リスクを軽減することができます。

また、メンター制度を導入して先輩社員との交流機会を設けることで、企業への愛着を育むことも効果的です。

体験型コンテンツ

企業説明会、会社説明動画、社員インタビュー記事、社内見学、、同期懇親会、インターンシップなど、多様なコンテンツを通じて企業の魅力を発信し、学生の企業理解を促進します。

オンライン・オフライン両方のチャネルを活用し、学生にとってアクセスしやすい情報提供を心がけましょう。

記憶に残る内定通知

内定通知は、単なる手続き的なものではなく、候補者にとって特別な瞬間です。

電話や書類送付だけでなく、サプライズ演出や社長からのメッセージ、チームメンバーからの歓迎メッセージ動画などを加えることで、候補者の記憶に残る特別な体験を提供し、入社への期待感を高めることができます。

歓迎されている、必要とされていると感じてもらうことで入社承諾率の向上に繋がるでしょう。

中途採用における内定辞退対策

中途採用においても、採用競争の激化の中で、優秀な人材を惹きつけて内定辞退を防ぐためには、戦略的なアプローチが必要です。

スムーズな選考プロセス

中途採用では、優秀な人材ほど複数の企業からオファーを受けているため選考スピードがより重要となります。

応募から内定までのスムーズな選考プロセスを構築して、競合他社に負けないスピード感と、候補者のタイムロスを最小限に抑えましょう。

明確で透明な条件提示

給与、福利厚生、キャリアパスなど、待遇面を明確に提示することで候補者とのミスマッチを防ぎます。

企業理念やビジョン、働きがいについても具体的に説明することで、企業への共感を高め、入社意欲向上に繋げます。

入社前に知っておきたかった」という情報を事前に提供することで、入社後のミスマッチを防ぎ、早期離職リスクを低減できます。

キャリアプランの提示(成長機会を明確化)

中途採用者は、キャリアアップやスキルアップを目指して転職活動を行うケースが多いため、企業は、具体的なキャリアプランを提示し、候補者の成長意欲に応える必要があります。

研修制度や資格取得支援制度、ジョブローテーションなど、成長機会に関する情報を積極的に開示することで、企業の魅力を高めることができます。

内定辞退改善の成功事例

実際に内定辞退率の改善に成功した企業の事例を紹介します。

Sansan株式会社の事例

Sansan株式会社は、候補者一人ひとりの志向性に合わせた選考体験を提供することで、内定辞退率を大幅に改善しました。

選考プロセス全体を通じて候補者とのコミュニケーションを密に図り、「候補者が最も重視している点」を理解することに注力。

その上で、個別のニーズに合わせた情報提供や面談を実施することで入社意欲の向上に成功しています。

特に、メガベンチャーや外資系企業といった競合他社が多い中で、年間20名もの新卒エンジニア採用を実現している点は特筆すべき成果です。

株式会社マネーフォワードの事例

株式会社マネーフォワードは、「働くイメージが持てない」という内定辞退理由を解消するため、21卒採用から長期インターンシップ制度を導入しました。

学生に実際の業務を体験してもらうことで、企業理解を深め、帰属意識を醸成することに成功。

結果として、長期インターンシップ参加者から多数の正社員採用を実現しています。

早期接触による関係構築が内定辞退防止に繋がった好例と言えるでしょう。

株式会社yutoriの事例

株式会社yutoriは、最終面接後、「お試し入社」という独自の選考ステップを設けています。

候補者に1週間から4週間程度の就業体験をしてもらうことで、入社後のギャップを最小限に抑え、ミスマッチを防ぐことに成功しています。

お試し入社期間中に辞退者が出ることもありますが、入社後の定着率向上に大きく貢献しており、離職率0%という実績からも、その効果が伺えます。

内定者フォローの重要性

内定者フォローは単に辞退を防ぐためだけに行うものではありません。

企業と内定者間の信頼関係を構築し、企業へのロイヤリティを醸成する重要なプロセスです。

入社前から良好な関係性を築くことで、スムーズなオンボーディングと早期の活躍に繋がるため、企業にとっても大きなメリットがあります。

一方的な情報発信ではなく、内定者一人ひとりのニーズに合わせた個別対応や双方向の対話を重視することで、より効果的なコミュニケーションが実現します。

まとめ

人材採用を成功させることは、今や企業にとって必要不可欠な要素となっています。

本記事で紹介した対策を実践し、候補者視点に立った採用活動を展開することで、内定辞退率を低下させ、優秀な人材の獲得をして企業成長を促進させていきましょう。

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