アルバイト採用を効果的に行うために役立つ情報をご紹介します。
「短期的に人手が欲しい」「人件費を抑えたい」「とにかく人数が必要」など、会社の課題を解決していくにあたり、アルバイトスタッフが必要な場面は多くあります。特に、飲食業、サービス・販売業、製造業やイベント業などでは必要不可欠な存在と言えるでしょう。
しかし現代は、有効求人倍率の上昇や少子化などによる人材不足の時代ということもあり、アルバイトの採用市場も激戦区になっています。
このような厳しい採用環境の中で、アルバイト採用を成功させるためにはどんな方法があり、どのような事に注力すればいいのでしょうか?
アルバイト採用を成功させるための参考になれば幸いです。
目次
INDEX
(1)アルバイト採用市場は激戦区
先述の通り現在のアルバイト採用市場は良い人材を採用するのが難しい状況です。
採用の難しさは求人有効倍率と、採用単価という2つの数字指標にも色濃く表れています。
(1-1)有効求人倍率上昇!求職者の売り手市場化
an reportが発表している労働市場データによると、2019年1月時点で、パートやアルバイトの有効求人倍率は「1.82倍」に達しています。
2009年ごろはリーマンショックの影響で「0.70倍」と急激な人余りとも言える時代でした。しかし、安倍政権に交代して以降は爆発的に上昇を見せています。
有効求人倍率とは、求職者1名あたりに対する求人数の割合です。
倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人の方が多いことを示します。
現代は求職者側の売り手市場になっているという状態です。
求人@飲食店.com の2017年9月13日に発表したデータによると調理スタッフは「5.79倍」、ホールスタッフは「7.58倍」と飲食業界は更に高い倍率となっています。
(1-2)アルバイトの採用単価も上昇中
有効求人倍率の上昇に伴い、求職者側の売り手市場となっている現代では、アルバイト一名を採用するコストである採用単価も大きく増加してしまっています。
株式会社ツナグ・ソリューションズが発表したデータ では、2009年ごろは約29,000円/名だった採用単価が、2013年頃には1.7倍の約52,000円/名にまで上昇しています。
数年前のデータなので、今はさらに上昇していると考えると恐ろしいですね…。
※採用単価については「採用単価を意識することで持続的な企業成長を」をご確認ください
(2)激戦区の中でも効率よくアルバイトを採用するために
先述のように、現在はアルバイト採用市場も激戦区と化しているので、効果的な採用を行うためには、しっかりと採用戦略を考えなくてはいけません。
闇雲に求人募集をかけるだけでは、採用単価も全体的な採用コストも悪化していく一方だと言えるでしょう。
(2-1)まずは自社の克服したい課題を明確にする
採用戦略を考え出すために、まずは自社の克服したい課題を明確にしましょう。
「とにかくアルバイトの人手が欲しい…」と言った場合でも、要素を分解していくと「実は大半の時間帯の人手は足りていて、午前中の3時間だけが足りていなかった」と補充するべきポイントが見えてきます。
(2-2)採用したいペルソナ(アルバイト像)を作る
要素を分解して考えたことで、自社の克服したい課題が明確になったと思います。
次は「ペルソナ」と言われる、採用したいアルバイト像を作り上げましょう。
上記で明確になった課題を解決できるよう、ペルソナはできる限り細かく書き出していきましょう。
<ペルソナ 例>
スーパーマーケットのアルバイトを募集したい。週に2〜3日程度、午前中の9時から12時までの時間帯を埋めてくれるアルバイトが欲しい。時間帯を考えると高校生などは除外。高校生くらいのお子さんがいる主婦(夫)が最適。
【性別】:女性
【年齢】:48歳
【職業】:主婦
【家族構成】旦那、子供(高校2年生)
【世帯年収】800万円程度 アルバイトをする理由は、自身のお小遣いや家計のプラスになればと思っている。アルバイトはあくまで旦那の扶養控除内で
※弊社で発表している記事「良い人材採用には、適切なキャッチコピーを」でもペルソナについて解説していますので確認してください。
(2-3) ペルソナ(アルバイト像)が求めているニーズを把握する
完成したペルソナが、職場に対して求めているニーズを想定しましょう。
アルバイト採用市場は激戦区。働いてくれる側に、分かりやすくメリットを提示した方が応募してもらいやすくなります。
ニーズを考え出す際に役に立つのがan reporotが発表している「アルバイトを選ぶ時に重視するポイント TOP20 」です。
想定したペルソナが重要視すると考えられるポイントをTOP20の中から見つけ出しましょう。
ランキング上位かつ、想定したペルソナからのニーズが高い項目は「時間の融通が効く」こと、ということが分かります。
「シフトは1週間前までに提出でOK」「勤務は1日3時間からOK」などの仕組みを用意することでペルソナのニーズを満たせることが想定できます。
(3)ペルソナ(アルバイト像)に最適な求人募集の方法を検討
続けては作り出したペルソナに、効果的に求人情報を周知できる方法を検討する必要があります。
(3-1)直ちに取り組むことができる自店舗内での告知
自社の店舗内にチラシを置いたり、ポスターを使っての求人募集はすぐに取り組むことができる方法のひとつです。
よく近隣のスーパーマーケットやコンビニ、居酒屋などに行くと見かけることもあるのではないでしょうか?
お店に訪れたことのある人や、近隣の人が応募してくれる可能性が高い方法でもあります。
これだけで大きな母集団を形成することは難しいですが、あまり金銭的なコストがかかりませんし、自社ですぐに修正を加えることも可能です。
上記でご紹介したペルソナのような人材(近隣の主婦層)を求める際には効果的かもしれません。
(3-2)身内紹介のリファラル採用も直ぐに取り組める
現在働いているアルバイトの友人や知人などをターゲットにした採用手法です。いわゆる縁故採用と言われるものです。
アルバイトの間で印象の良い労働環境であれば、友人に紹介することに対して抵抗感が少ないため、とても効果的な手法と言えます。
有料の求人広告を利用する前に、まずは自社のアルバイトに「誰か友達でアルバイト探してる人いない?」と声をかけてみてはいかがでしょうか。
紹介に対して、ボーナスを支給する会社も多くみられるようになっています。
(3-3)幅広い年齢層に届けることができる紙媒体
「タウンワーク」「求人ジャーナル」「アイデム」「クリエイト」など、フリーペーパーや新聞折り込み系の紙媒体は、幅広い年齢層に求人情報を届けることができます。
フリーペーパーは、コンビニ・ファミリーレストラン・駅・大学の生協などに設置され、新聞折り込みは各世帯に配布されます。
設置・配布エリアは選択が可能なので、採用したいターゲット合わせて掲載することができます。
(3-4)若年層を採用したいのならWEB媒体
大学生や若年層のフリーターの採用をお考えであれば「マイナビバイト」「バイトル」「an」「LINEバイト」など、WEB媒体への出稿がおすすめです。
求職者の多く(特に若い人材)はスマートフォンで仕事を探しています。紙媒体にはない、豊富な画像・動画などの情報量、応募状況によって書き換えができる操作性など、デザインや機能面でも若年層に訴求できる仕組みが整備されています。
(4)アルバイトの求人広告の書き方に、出稿する時期、面接について
ペルソナ作り、使用する求人広告媒体の選定が完了したら、次は求人広告を制作する作業に入ります。
適切な書き方で求人広告を制作する事ができれば、応募者が増加し、母集団の形成に効果を発揮すると同時に、人材のミスマッチの予防にも繋がります。
業態によって、適切な時期に出稿すればさらに効果的に応募を集めることができます。
弊社で発表している記事「求人広告の効果的な書き方 」では具体的な書き方はもちろん、注意しなくてはならないNGリストも紹介しています。
「求人広告を掲載する時期を考える」では採用したい人材、職種によって適切な時期を紹介しているので参考にしてください。
アルバイト採用には「面接」も非常に大切なのですが、面接については重要な項目が多くあるので、また後日、独立した記事を発表する予定です。
面接を行う上での注意点はもちろん、合否連絡に対するスピードの重要性も含めてご紹介します。ご期待ください!
(5)アルバイトは採用後も大切!定着させることを意識
アルバイト採用というと、どうしても募集方法に意識が向いてしまいがちですが、採用活動終了後に、長く定着してもらうことも意識してみてください。
アルバイト求人サイトのモッピージョブが2012年9月に発表したデータによると、アルバイトの「6割」は半年未満で辞めてしまいます。
せっかくお金と時間をかけて採用したアルバイトがすぐに退職してしまっては意味がありません(悲しいし、気分も落ち込みますよね…)。
何度もお伝えしており恐縮ですが、現在のアルバイト採用市場は良い人材を採用するのがとても難しい状況です。
採用した人材に1日でも長く働いてもらえるように努力しなくては、せっかく費やした予算も時間も労力も無駄になってしまいます。
アルバイトが長く定着している企業は、アルバイトの従業員満足度(ES)に正比例します。
an reportの調査によると、新人アルバイトが辞めてしまう理由ベスト3は「思ったより体力的にきつかった」「面接で聞いてないことをさせられた」「他の人と溶け込めそうになかった」となっています。
辞めてしまう理由を解消しておくことでアルバイトに長く定着してもらいましょう。
(5-1)新人アルバイトをサポートする体制を用意
「思ったより体力的にきつかった」という不満が多く寄せられていることから、新人アルバイトをサポートする体制を充実させる必要があるでしょう。
最初は業務量を少し減らしてあげたり、簡単な業務から始めたり、連続勤務を避けるなど、無理のない範囲でならし運転的にスタートすることで解決できる可能性があります。
(5-2)雇用契約書を取り交わそう
「面接で聞いてないことをさせられた」という不満の多くは説明不足が原因です。
対処方法としては、雇用契約(面接)の際に書面で業務内容を明確にし、口頭でもしっかりと説明すること。
業務内容に納得してもらった上で働きはじめてもらいましょう。
(5-3)従業員とのコミュニケーションを充実させる
「他の人と溶け込めそうになかった」という悩みについては、店長やマネージャー、先輩スタッフが、新人が馴染める環境を作ることが大切です。
すでに出来上がったコミュニティの中に飛び込んで、すぐに溶け込むというのは意外と難しいものです。
バディやメンター制度のように、新人1人に対して新人教育担当者を1人つけるなど、分からないことがすぐに聞ける環境を整えてあげましょう。
「先輩の仕事を見て盗む」「マニュアルを渡して読んでもらう」だけの教育・研修では、疎外感や不安を感じさせてしまい、早期離職の原因となります。
(6)アルバイト採用のご相談をお待ちしています
現在のアルバイト採用市場は良い人材を採用するのが難しい状況です。闇雲に募集するだけではなく、採用後の定着も含めた計画が大切です。
ペルソナ作りはもちろん、採用方法の選定、そして定着させるための体制作りも含めてご提案させていただきます。