この採用難の時代。どの業界でも「求人広告で応募がこない…。」といった声をよく耳にするようになりました。
待遇や制度など、まずは会社の土台の部分を改善していくことが大前提ではありますが、求人広告の「魅せ方」を変えてみることも1つの手段です。
特に、求人広告の入り口であるキャッチコピーは、「応募者増加」「ブランディング」「ミスマッチの抑止」の3つの面に大きな影響があります。適切なキャッチコピーを作ることは、結果的に良い人材を集めることに繋がるのです。
目次
INDEX
(1)心に響くキャッチコピーで応募者を増やす
企業の魅力を伝えるキャッチコピーは心を揺さぶり応募者の分母を増加させ、結果的に優秀な人材を獲得することに繋がります。実際に就職活動をしている応募者達から、「キャッチコピーで興味をもって応募したことがある」といった声も聞きます。
(2)キャッチコピーでブランディングも可能
キャッチコピーを作ることは、同業他社との差別化に効果的なブランディングも可能。応募者は企業の特別なファンでない限り、比較を行います。事業規模、給与などといった様々な面で比較検討を行うのです。最終的にはキャッチコピーが気に入った企業を応募するといった場合も往々にあるのです。
(3)キャッチコピーでミスマッチを抑止
またキャッチコピーに「求める人物像」「企業文化」などを示す要素を盛り込むことで、本当に企業に合う人材を絞り込む効果も期待できます。企業に合う人材を絞り込むことで、双方のミスマッチを減らすことに繋がります。
(4)キャッチコピーを作る上の注意点を紹介します
ここまででキャッチコピーの持つ力を理解いただけたかと思います。続いては、キャッチコピーを作る上での注意点を紹介します。
(4-1)まずはペルソナを明確にする
まずはキャッチコピーを届けたいペルソナを明確にしましょう。ペルソナとは、マーケティング業界では「架空の人物として定義した顧客プロファイルで、製品・サービスの理想の顧客」を意味します。採用活動は厳密には製品・サービスではないのですが、多くの企業がペルソナを設定した上で採用活動を行っています。「どれくらいの世代の人物に届けたいのか?」「求める職種は?」会社が今現在、理想とするターゲット像を明確にしましょう。以下がペルソナ例です
【ストーリー】
キャリアップを考えて転職を考えているWEBエンジニア。業界で常々言われている「エンジニア35歳限界説」と向き合った結果、今はこれまで蓄積した経験もあってテクノロジーの進化にもついていけるが、体力が衰えた10年後を考えると不安が残る…。そこでより上流工程へのキャリアアップをしたいと考えた。
次のキャリアとして考えているのは予算、人員管理も含めての製品管理職。現状でも外注や、3人程度の部下の管理は行っている。次は部署単位での管理も行うためのキャリアアップをしたいと考えている。
今の会社は正直、体力があまりない弱小企業。このままそこに居続ければ肩書の役職は変わることがあっても、自身の能力と年収が向上することはないだろう。そこで1年くらいをかけて新しい転職先を見つけようと考えている。
【性別】:男性
【年齢】:33歳
【住居】:東京都 杉並区 浜田山
【出身】:千葉県 西船橋
【性別】:男性
【配偶者の有無】:無
【職業】:WEBエンジニア(使用可能言語 PHP、Java、Ruby)
【年収】:400万程度
上記はあくまで一例ですが、ターゲットを細かく絞り込むことで、本当に自分たちが求めている人材を明確にしましょう。
(4-2)一つのキャッチコピーで伝えたいことは一つまで
ペルソナの設定が終わったら、1つのキャッチコピーで伝えたいことを1つに絞りましょう。例えば社風を紹介する際、挑戦的な会社なのか?手堅さが売りなのか?会社の特徴の中から一番伝えたいことを選び出してください。
(4-3)綺麗な単語、難しい単語は必要無い
キャッチコピーを作るさいに語感が綺麗な単語、難しい単語を意識する必要はありません。一歩間違えれば作りての自己満足に陥ります。芸術作品を作るためにキャッチコピー作るわけではないのです。
(4-4)意味のない単語を削る
伝えたいターゲット、伝えたいことが明確になったらキャッチコピーを何本か書いてみましょう。その中から気に入ってる1本を選び出して、無くても意味が伝わる単語を削除しましょう。キャッチコピーは本当に必要な単語だけで構成する必要があります。
(4-5)ウケ狙いのキャッチコピーは逆効果
奇をてらったウケ狙いのキャッチコピーは厳禁です。面白かったとしても応募者は「?」と思ってしまい、正しく会社の情報を伝えることができません。結果的に「思っていた会社と違う」などのマイナス効果を生み出します。
(5)ユニークな採用キャッチコピー例
最後にユニークなキャッチコピーの採用ページを展開している企業をご紹介しましょう。キャッチコピーを作る際の参考にしましょう!
(5-1)株式会社ドリコム
3歩先をつくろう
モバイル向けのゲームアプリをはじめとしたエンターテイメントコンテンツを発表しているドリコム。「未来」などの抽象的な単語ではなく、「3歩先」と具体的でイメージしやすい単語の選択は応募者の心を揺さぶることでしょう。
(5-2) Oisix.daichi株式会社
これからの食卓、これからの畑
Oisix.daichi株式会社は有機・無添加の通信販売を行う会社。2017年10月に第2創業期を迎えた同社の姿勢を簡潔に表現しています。同業他社との差別化に効果的なキャッチコピーだと言えるでしょう。
(5-3)GMOアドパートナーズ
「日本一?無理でしょ。」笑うやつをいつか、笑い返してやろう。
インターネットを活用した集客・マーケティングを展開しているGMOアドパートナーズ。インターネット業界でNO.1を目指す同社らしく、向上心の高い人材を求めているのが非常に分かりやすいです。企業の求める人材をうまく盛り込んでいます。