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アルフォース・ワン代表の山根です。
人材不足だと感じている企業が全体の86%を超える中、様々な企業の採用を担当する当社でもその難しさを実感しています。
そこで今回は、今まで数多くの求人広告を出稿し成功・失敗を経験している当社だからこそ分かる求人広告を使った人材採用を成功させるための4つのポイントをご紹介します。
採用担当者さまはぜひご活用ください!
INDEX
1. 何のために人材を採用するのか
「欠員の補充」や「社内体制の強化」など、会社により理由は様々あると思いますがこれらはあくまで目先のマイルストーンであり”手段”であることを忘れてはいけません。
この先にある本来の目的は、【会社がさらに利益を上げること】です。
「人材を採用する」という目先の手段に捉われることなく「利益を上げる」ためという採用の目的をあらためて明確にした上で採用活動に臨んでいただきたいと思います。
また同時に、採用に失敗してしまうと大きな損失を生むことも意識して欲しいと思います。
- 求人募集費用
- 採用担当者の時間(×時給)や労力
はもちろんのこと、もし自社にそぐわない間違った人材を採用してしまうと…
- 給与
- 社会保険料
- ボーナス
- 交通費
- 備品(制服、デスク、PCなど)
- 研修、教育費用(担当者の時間や給与も)
など、数百万円単位のお金が飛んでいきます。
そして、お金に換えられない大きな部分として
- 社員のモチベーション
- 既存顧客の信用、信頼
- 採用ブランド力
までもが、どんどん失われていきます。
1人の人を新卒から採用し、定年まで雇用し続けるとなんと約2億円の人件費がかかると言われています。
しかし金銭的なものより、このように実はお金に換えられない部分の損失の方が大きいのです。
2. 人を採用する前に(社内準備)
人を採用しようとする時、まずは何をするでしょうか。
多くの企業ではまず「求人広告」を出します。しかし、これでは採用に失敗してしまう可能性が非常に高くなります。
それでは、まず何をすれば良いのでしょうか。人を採用する前に、まずは社内の状況を整えることが重要なのです。一見遠回りのように見えて実はこれが1番の近道です。
①企業理念の明確化
同じ業種、職種、採用条件が同じだったとしてもどの企業も企業理念や、会社を運営する想いは違うはずです。
一般的にイメージするような小難しい企業理念のようなものを無理に考える必要はありません。
- あなたの会社は何のため、誰のためにあるのか
- 社員のために何をするのか
- お客様のために何をするのか
- 社会に対して何を行っていきたいのか
- 将来どうありたいのか
のような事を書き出していけば自ずと明確になっていきます。
「うちの会社は小さいし、待遇も良くないから求人を出しても他の企業に見劣りしてしまう…。」
とお考えの方も、この企業理念が明確になっていればそれに共感する人材を引き付けることができるので大企業や待遇の良い同業他社にも決して見劣りすることなく自社に合う人材を獲得していくことが可能になります。
②採用基準の明確化
採用の現場で、「採用したい人材はどんな人材ですか?」と質問すると、
「元気で、明るくて、素直で、真面目で、やる気と協調性があってうちの会社が好きで、長く働いてくれる人!」
といった(もしくはこれに近い)答えが返ってきます。
しかしこれは野球に例えるならば「エースで4番、肩も強くて足も早い、守備も上手でケガもしづらい。」といった大谷翔平選手のような人材を求めているようなものです。
しかし、これでは本当に求めている人物像の詳細を把握できないですし、このような人材は市場に滅多にいません。
では、求める人材を明確にするためには何をすれば良いのでしょうか。
それは「採用したくない人物像」を明確にすることです。
この採用したくない条件を理解することにより採用必須条件が見えてきて、曖昧な基準での採用を回避することができます。要するに、採用の精度が上がるのです。
いくら能力が高く、経験や専門知識があったとしても自社の価値観や企業理念にそぐわない人物やお客様や社員に合わない人物を採用してはいけません。
職種や雇用形態、新卒、中途などによって採用基準は変わってきますが企業理念や価値観に対する共感はすべてに共通します。
それぞれの採用に対して、様々な視点から採用したくない人物像を書き出すことによって採用必須条件を設定し必須条件と譲歩できる条件を照らし合わせ、採用条件として定めましょう。そしてその条件に合致しない場合、潔く不合格としましょう。妥協した採用をすると良い結果は生みません。
最後に、定めた採用基準を文書化し、社内全体に共有しましょう。
3. 選考・面接を見直す
採用基準が明確になったら、選考・面接に目を向けましょう。
①書類選考の実施
中小企業では、面接率改善などの理由から書類選考(履歴書の事前送付)を行っていないことが多く見られます。
確かに、履歴書の送付を省き、面接時に履歴書を持ってきていただく方式をとった方が多くの方が面接に来てくださるかもしれません。
しかし、採用経費を考えた時に以下ように大きなデメリットも考えられます。
- 採用基準に満たない応募者への対応
(採用、面接担当の給与・時間・労力の無駄) - 履歴書、職務経歴書を事前に読み込めない
(その場での情報収集になってしまう) - 事前の面接シミュレーションができない
(懸念事項をもとに質問などの組み立てができない)
書類選考を行うことによって、このようなデメリットを解消することができると共に採用コストの削減と、面接制度の向上も期待できます。
記載内容はもちろんのこと、顔写真や筆跡など履歴書から得られる情報は少なくありません。
正社員、アルバイト・パートなど雇用形態に問わずぜひ実施していきましょう。
②適正試験の導入
適正試験は面接では判断することができない「知能指数(IQ)」や「性格」、「将来性」も判断することができます。導入にコストはかかりますが、人材採用が失敗した場合のコストを考えるとはるかに小さなコストだと思います。選考の精度が段違いに上がりますのでぜひ導入を検討してみてください。
適性試験には様々な種類がありますが主なサービスは以下の通りです。
- SPI2 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
- DPI/DIST 株式会社ダイヤモンド社
- V-CAT 株式会社日本能率協会マネジメントサービス
- CUBIC 株式会社エージーピー
- HCi-AS ヒューマンキャピタル研究所
- TAP21 株式会社日本文化科学社
- MAI 株式会社三洋ヒューマンネットワーク
- E-SST 株式会社イー・キュー ジャパン
- P-Pic 株式会社ヘイ コンサルティング グループ
- UP-I 株式会社ユニゾン
- casMouth/casHeadE 株式会社キャプラン
- ASK ver.3 株式会社ネクストエデュケーションシンク
③面接
面接にも
- 個人面接
- 集団面接
- グループディスカッション
- ディベート
- グループワーク
- プレゼンテーション
など複数の種類がありますが、中小企業においては基本的に個人の能力を見抜きやすい個人面接をおすすめしています。(自社に合った面接方法を選びましょう!)
◆質問項目の確立
面接とは応募者に対する質問の場ですので質問の内容が面接の精度を大きく左右します。
よって、質問の内容は、その場で考えることではなく事前に深く考えた上で決めておく必要があります。
採用面接における質問とは、応募者の能力や思考を知るためのものです。
必要な能力などは会社によって異なると思いますがマストで聞いておいた方が良い質問をいくつかあげますので自社の採用基準をもとにお試しください!
- 志望動機(業界を選んだ理由、その中から自社を選んだ理由)
- 自己PR(本人が得意だと思っている分野、実績の確認)
- 企業理念に関する質問(企業理念を聞いて感じたことなど)
- 前職の退職理由(自社を辞める理由にもなる可能性)
- 前職の職場での人間関係や仕事のやり方 など
面接の軸をぶらさないためにも基本的には必ず同じ質問を応募者さん全員にしてください。
面接での質問項目に関しては、専門書もあるくらい深い領域ですのでまた別の機会に…。
◆面接シートの作成
中小企業の面接では、面接シートを使用せず、ざっくばらんな雑談が中心の「フィーリング重視」の面接が多い印象があります。
面接シートを使用しないと、このようなデメリットがあります。
①聞き忘れが発生する
面接では聞いておくべき質問がたくさんあります。面接シートを用いない場合、その質問全てを暗記しておく必要がありますが
それは難しいことだと思います。転勤がありますが大丈夫ですか?など、聞き忘れると入社後にトラブルになる質問もあります。
②フィーリングに頼った面接になる
「雰囲気がよさそう」「コミュニケーションが高そう」など漠然とした評価で合否の判定をしてはいけません。前段で明確にした採用基準を、面接と連動させて活用するためには面接シートに盛り込む必要があります。
③面接官ごとに内容にバラつきがでる
面接官は1名ではなく、複数の目で判断することが重要です。しかし、複数の面接官で面接を行うと面接官ごとによって質問内容にバラつきが出てしまい面接の精度が下がってしまいます。1次面接、2次面接、最終面接など、それぞれの選考ごとで質問項目にバラつきがでないことが理想です。
④全ての面接内容を覚えておくことはできない
人間は忘れる生き物です。面接官は、他の業務を兼務しているケースも多いため日が経つごとに面接内容を忘れていってしまいます。
⑤面接経験がない人は面接ができない
面接経験のない新人の場合は応募者よりも緊張していることもあります。何も見ないでいきなり面接することは難しいと思います。
⑥改善ができない
PDCAサイクルの「check:評価」「Act:改善」ができません。採用結果をみて、「面接で聞いておけば…」と思ったときに次回から設けるべき質問を面接シートに盛り込むことで面接の改善ができます。採用に失敗した場合、その時にやるべきことは、なぜ採用に失敗したかを振り返ること。その時に使う資料の一つとして面接シートは有効に活用できます。
面接シートがあれば大丈夫!という訳ではなく、面接官の教育も非常に大切です。面接に携わる人間は、自らも応募者から見られている会社の代表なのだという意識をもち、ロールプレイングなどの予習をしっかりと行った上で面接に臨みましょう。
4. 求人募集を始めよう
人材が欲しい時に、皆さんならまず何をしますか?
- 人手が欲しい→求人を出す
というのが一般的な考え方ではないでしょうか。
しかし、実はこの考え方は採用に失敗する会社の考え方なんです。
採用に成功する会社の考え方は、上記までにある通り、
- 人手が欲しい→欲しい人材像の明確化→選考内容の確立→面接官の教育→効果的な求人を出す
となります。
求人を行う前に、社内でやるべきことがあるのです。
社内整備が終わったあとに、ようやく求人に取り掛かれます。
求人の方法も無数にありますが代表的な方法は以下の通りです。
【広告系】
●無料
- ハローワーク
- 大学、専門学校の求人票
- 張り紙
- 求人広告媒体
- 自社SNS活用
●有料
- 求人広告媒体
- 自社採用ホームページ
- WEB、SNS広告
- ポスティング
- フェア出展
【紹介系】
- 採用課金型サイト
- 人材紹介
- 人材派遣
- 社内紹介(縁故採用)
◆「中小企業ならではのウリ」を考える
求人募集の際に、大企業と同じ土俵で戦ってはいけません。大企業志向の方をターゲットにしても仕方がないのです。
大企業には真似することができないウリを打ち出していくことが重要です。
中小企業ならではウリとは・・・
- 自分が歯車の一つではないと感じられる仕事の幅の広さ
- 経営者と距離が近く、経営を身近に見られる
- 社員を家族と思っている温かい社長がいる
- 昇進のスピードが速い
などがあげられますが、1番大きなウリは、ずばり「企業理念」と「経営者」です。
中小企業にはユニークな考え方をもった経営者がたくさんいます。経営者のキャラクターを全面に出して、この人のもとで働きたい、この会社に入社したいと思ってもらうことも大切です。
また、会社を大きくしてきた背景には必ず独自の想いや考えがあるはずです。夢をもって起業したり、失敗や成功も多くあると思います。今後の夢やビジョンもあると思うので、そういった事実を打ち出して応募者の方に伝えてみてください。
そうすることで、大企業や他社とは違う独自のオンリーワンが出来上がります。オンリーワンに応募者は共感し、他社ではなくアナタの会社を選ぶのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 【会社がさらに利益を上げること】が採用の目的であることを認識する
- 人材を採用する前に【企業理念・採用基準】を明確にする
- 求人を出す前に【選考・面接を見直す】
- 【企業理念・経営者】をウリにした効果的な求人を出す
の4つのポイントを押さえることで求人広告での人材採用は飛躍的に成功に近づくはずです。
- 求人広告を出しているけど効果がない
- 人材採用の方法に悩んでいる
- 応募はあるが、欲しい人材がこない
など、人材採用にお悩みの方に少しでも参考にしていただければ幸いです。