アルバイト採用の面接を行なう目的は、応募者の特性を知ることです。
面接では、コミュニケーション能力や仕事に対する考え方や熱意、そして困難に向き合うためのストレス耐性など、書類上からだけでは決して知り得ることができない貴重な情報を収集することができます。
アルバイト採用の面接の場は「業務内容」や「労働条件」を正しく伝える場でもあります。
会社側と求職者側、双方の認識をすり合わせる作業を怠ると後々のトラブルにも繋がる可能性があります。
本記事では、理想的なアルバイト採用面接の流れ、効果的な質問&NG質問、注意事項などを解説します。
目次
INDEX
(1)アルバイト採用面接の理想的な面接な流れ
まずはアルバイト採用面接の理想的な流れを確認しましょう。
フローチャートをまとめたPDFファイルも作成したので併せてご確認ください。
Phase1.挨拶・自己紹介
まずはお越しいただいたお礼と、面接官の自己紹介をします。
名前、社内における役割・役職を丁寧に伝えましょう。面接の所要時間、回数、次回開催する場合の担当者なども明確に伝えましょう。
Phase2.応募者の緊張を和らげる
いきなり質問に入るのではなく、応募者の緊張を和らげるためにアイスブレイク的な会話から始めましょう。
例えば「場所はすぐに分かりましたか?」「今日は暖かい(寒い)ですね」など。誰でも気軽に返答できるものにしましょう。
Phase3.業務内容、労働条件の確認
応募者に任せたい「業務内容」、時給・休日休暇・福利厚生といった「労働条件」を漏れなく伝えましょう。
従業員や職場の環境なども具体的に説明します。他にも不採用の際の応募書類の取扱いも伝えましょう。
確認を怠ると、認識の違いからトラブルに発展する場合もあります。
Phase4.面接官からの質問
求人広告を出稿する際に定めた人材要件を満たしているか見極めます。
意図の不明確な質問は避けましょう。志望動機、勤務条件(週何日シフトインできるか、1日何時間くらい働けるかなど)、過去の経歴(学んだこと、楽しかったこと、辞めた理由など)、性格面(長所、短所など)は最低限、確認していきましょう。
Phase5.会社・仕事PR
仕事のやりがいや特徴、業界ならではの楽しさなどを魅力的に語ります。
応募者の印象や、ここまでの反応などを鑑みつつ、業務自体に興味があるのか、条件面に惹かれているのか、一緒に働く人や場所、商品に魅力を感じているのか、などPRするポイントも合わせて工夫していきましょう。
良いポイントだけではなく、この時間帯・時期はとても忙しくなる、理不尽なクレームをもらってしまうこともある、など厳しい点も正直に伝えた方がいいでしょう。
Phase6.応募者からの質疑応答&締め
面接官から一方的に質問するだけではなく、応募者からの質問を受け付ける時間を設けましょう。
不明点や不安なことを解消することで、面接の満足度が高まります。また、最後には選考結果を伝える方法(電話・メール・郵送など)と、その時期も明確にしてください。
(2)応募者が話しやすい空間を作る
アルバイト採用面接を行うオフィスや店舗は、面接官にとっては、いつも面接を行っている馴染み深い場所ですが、応募者にとっては初めて立ち入る未知の空間であり、緊張するのは当然のことです。
応募者の人となりを正確に把握するためにも、できるだけリラックスできる空間づくりを心がけましょう。
(2-1)面接会場は綺麗に整理整頓された空間で
面接会場は、従業員の私物や、商品、印刷物などが散乱していない空間で行いましょう。
自分がアルバイト採用面接に出向いた際、もし散らかった会場で面接が行われたら、蔑ろにされているようで残念な気持ちになるだけでなく、コンプライアンスは大丈夫なんだろうか?、様々な面で雑な対応をする会社なんだろうな・・・など、確実にマイナスなイメージを与えてしまいます。
(2-2)応募書類は散乱させない
同日に複数人との面接を実施する場合、他の応募者の履歴書が、そのまま無造作に配置されてないよう注意しましょう。
履歴書には数多くの個人情報が記載されているので情報漏洩に繋がる可能性があります。応募書類の管理については社内全体でルールを徹底し、慎重に取り扱うよう心がけてください。
(2-3)応募者が不快に感じる行動をしない
応募者が不快に感じる行動をしてしまうと、相手は心を閉ざしてしまいます。特に以下のような行動には注意してください。
腕や足を組む
面接時のメモを記入する際など、無意識のうちに足を組んでしまうことがあります。その気がなくとも、足を組むと上から目線の傲慢な態度に見えてしまう恐れがあります。
また、腕を組んでしまうと心理的に、隠し事がある、警戒しているなどのイメージを与えてしまうこともあるので注意しましょう。
相手の目をまったく見ない
過度に目を逸した状態で会話をすると「何か隠し事がある」と勘ぐられてしまったり、面接官側の緊張が応募者側に伝わってしまい、効果的な面接ができない可能性があります。
目を見て面接を行うのが気恥ずかしい場合は、鼻の下あたりを見るようにしましょう。逆に、ずっと目から視線を逸らさないことも、応募者側に威圧感を与えてしまいます。
目を合わせる時間は2~3秒を基準とし、応募者側に不快な感情を与えないように気を付けましょう。
煙草を吸う
休憩室などで面接を行なう場合、いつもの習慣で煙草に手を伸ばしてしいまうかもしれません。マナーとして、面接中の喫煙は控えましょう。
圧迫面接をする
ストレス耐性を見たいなどの理由で、あえて威圧的な態度で接する「圧迫面接」を行う会社もあるかもしれませんが、完全に逆効果なのでやめましょう。
インターネットやSNSが普及している現代では、こういった面接時の対応も簡単に広まってしまい、会社の評判を落としてしまうかもしれません。ストレス耐性を見るための質問事項に関しては後述します。
(3)アルバイト採用面接で効果的な質問集&NG質問
応募者の適正を見極めるのに効果的な質問と、NG質問を紹介します。
(3-1)表現力・コミュニケーション能力を確認するための質問
・簡単な自己紹介をお願いします
自己表現能力の確認することでコミュニケーション能力を測ることができます。また面接の導入部分での質問としても使用できます。
・好きなこと、モノは何ですか?
漠然とした質問ですが、回答する過程と内容で応募者のコミュニケーションスキルを見ることができます。
(3-2)意欲を確認するための質問
・弊社のことは知っていましたか?
労働意欲が高いほど、会社や事業内容について、事前に調べて理解を深めていることが想定されます。
・弊社で働きたいと思った理由は何ですか?
労働意欲が高いほど、具体的な理由を答えます。回答内容で仕事への興味の有無、志望度を確認できます。
・週に何日働けますか?
労働意欲が高いほど、具体的な出勤頻度を答えます。
(3-3)ストレス耐性を確認するための質問
・ストレスに感じる時はどんな時ですか?また発散方法は?
何に対してストレスを感じるのか知ることで、応募者のストレス耐性をうかがい知ることができます。
同時に発散方法を聞くことで、セルフマネジメントができる人材かどうかを判断することができます。
・挫折した経験はあるか?その際にどのように対処しましたか?
ストレス耐性はもちろん、課題解決力を把握することができます。現在、その挫折や失敗を乗り越え、ポジティブに捉えて糧にできているかも重要です。
・1つの質問を「5回」掘り下げる
質問への回答に対して「それはなぜですか?」「もっと詳しく教えてください」など、5回掘り下げて質問してみましょう。
1つの項目を5回掘り下げて考え、回答することはとても負荷のかかることなのでストレス耐性を測れるだけでなく、行動特性や性格なども知ることができます。
(3-4)職場との親和性を確認するための質問
・どのような環境で働きたいですか?
「風通しの良い環境」など、実際の環境と一致しているかを確認しましょう。
( 3-5)NG質問
続いては面接の際に聞くべきではない質問を紹介します。
・【NG1】本人の意思では変えることができないこと
本籍地、出生地、家族、自宅、その他生活環境に関す質問は、応募者の能力や人間性に関係がない事柄です。
就職差別に繋がる恐れがあるので質問しないようにしましょう。
・【NG2】自由に選択できること
宗教、思想、人生観、支持政党、購読新聞、雑誌、愛読書などは応募者が自由に選択できる事柄です。
憲法で保護されている自由権に属することなので、内容によっては基本的人権の侵害に繋がる恐れがあるので質問しないようにしましょう。
・【NG3】男女差別、セクハラにつながること
結婚、妊娠、出産、恋愛に関わる質問は控えてください。男女雇用機会均等法に抵触してしまうばかりか、セクハラに繋がる可能性が高いです。
おそらく、結婚や出産にまつわる質問をする場合、長期就業可能な人材かどうか確かめたいのだと思うのですが、その場合は「今後どのような仕事の仕方を希望しているのか」といった、将来のビジョンや本人の仕事観を確かめるものに言い換えてみるといいと思います。
(4)質問シート・採点シートを事前に準備
アルバイト採用面接では、聞いておきたい質問をまとめた「質問シート」と、評価項目などを明確にした「採点シート」を準備することを推奨します。
確認すべき部分を事前に整理しておけるので、面接の精度と効率を向上させることができます。また、面接官が全員、同じシートを活用すれば、属人的な評価のブレが防げるだけでなく、面接のマニュアル化にも繋がり、アルバイト採用面接のクオリティーを向上させ、結果的に良い人材を確保することに繋がります。
採点シートのサンプルを作成しましたのでDLしてご確認ください。
(5)採用決定の連絡は迅速に、状況次第では応募受付代行サービスの活用も
採用の合否は、できる限り速やかに応募者へ連絡しましょう。その際、入社手続きの日時や、当日に必要な持ち物も必ず伝えてください。
採用連絡が遅れれば遅れるほど、他社に決めてしまったり、内定辞退の恐れが高くなります。また、不採用の場合でも、なるべく早く連絡してください。応募者も真剣に転職に臨んでいるため、不採用だった場合は次の職場を探さなければいけません。
不採用だった場合でも、皆さんの会社やお店のファンでいてもらえるよう、誠実な対応を心掛けましょう。
状況次第では「応募受付代行サービス」の活用も視野にいれるとよいでしょう。
電話やメールの応募受付から始まり、面接日時の設定や、前日のリマインド連絡も任せることができるので、応募受付代行サービスを活用すれば迅速かつ効率のいいアルバイト採用活動を行うことができます。
先述の通り、応募対応の際に連絡が遅れてしまったり、そっけなく雑な対応してしまえば、面接・内定辞退に繋がり、せっかくの応募者を取りこぼしてしまうことによって母集団の形成にも悪影響が出てしまう場合も。
費用感も含めて解説していますので、弊社の記事「応募受付代行サービスを活用して優秀な人材を確保」もご覧いただければと思います。
(6)アルバイト採用面接のご相談もお待ちしています
弊社の他の記事でも伝えていますが、現在のアルバイト採用市場は売り手市場のため、良い人材を確保するのが非常に難しい状況です。
自社で必要としている人材を見極めるための面接マニュアルや体制の構築もお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください!
また、弊社サイトで公開しているアルバイト採用に関連する他記事も併せてご覧いただければ幸いです。